ディハイドレーターで魚の干物

2012年10月20日 14:04

みりん干し_1

今日は干し物シリーズの第 3 回目、魚編です。今や普通のスーパーマーケットでお寿司が買え、田舎町にも和食レストランの 1 軒や 2 軒はあるというアメリカでも、魚の干物をしょっちゅう食べているという人はそんなにいないのでは。でも、ディハイドレーターがあれば、この超シブーイ食べ物も自分でカンタンに作れちゃいます。それに海外の多くの地域では屋外に魚を干すのはさすがにちょっと...ですよね。ディハイドレーターについては、こちらの記事を見てくださいね。

「だいたい干物にできる魚なんてあるの?」と言う人もいるかもしれませんけど、意外とあるんですよー。というわけで、このあたりで比較的手に入りやすい魚をいろいろと試してみました。一番のオススメは日本のイボダイによく似たバターフィッシュ (butterfish、下の写真) やサバ (mackerel) などの青魚系です。こちらのサバって脂があまりのっていないものが多いので、どちらかというとアジに近いんです。そのほか、普通のスーパーマーケットでよく見かけるニジマス (rainbow trout) やワカサギに似ているキュウリウオ (smelt) なんかもいいですね。イカはもちろん外せません。サンマやいわしも見つけたら是非。sisamo という名前で売られている生のししゃもは超オススメです。鮭や鯛の仲間は、個人的な好みもあるでしょうけど、ちょっと干してから焼くと味が濃厚になってなかなか美味しいと思います。お茶漬けにもいいですしね。コッド (cod)、ポラック (pollack)、ハドック (haddock)、ホワイティング (whiting) などのタラ類の魚も同様です。冬場タラっぽい魚を買ってお鍋に入れたけど、味が淡白すぎるし身が柔らかくてなんか違う、と思っていた人は、軽く塩を振ってから短時間干すと、日本の塩鱈のタラ臭さとぷりぷり感を再現できます!マグロ、メカジキ (swordfish) などは干すと身が固くなります。基本的に、一夜干しはジューシーさや柔らかさを保ちたい場合にはあまり向いていません。サワラ (spanish mackerel) やアカウオ (ocean perch) などはパサついた感じになるのでワタシ的には今ひとつでした。

Butterfish.jpg
バターフィッシュ (butterfish)

作り方はすごくカンタンです。魚は冷凍されていない新鮮なものを選びます(特に一夜干しの場合)。一般のスーパーマーケットでは冷凍したものを解凍して売っている場合もあるので注意が必要です。まず、お魚は新鮮なうちに内臓とエラを取り除いてきれいに洗います。次に、開きにするか、2 枚または 3 枚におろします。私はたいてい骨は付けたまま残します。大きい魚の場合は開きだとディハイドレーターに入らないこともありますね。私は開きなんて作ったことがないのでコワゴワ挑戦しましたが、腹側から包丁を入れ、背まで完全に切らないように注意しながら中骨に沿って尾まで切れば、なんとかそれっぽい形になりました。もちろん背開きでも OK です。特に青魚の場合は、頭や内臓に近い部分も落とした方が保存性が良くなります。

次に魚を塩水に漬けます。水に対する塩の割合は 10% とする人もいるようですが、私は 8% ぐらいにしています。身の薄い魚は 30 分ほど、厚い魚は 1 時間ぐらいでしょうか。長く漬けると塩辛くなりすぎることもあります。魚の水分を軽く切って、ディハイドレーターのトレイに並べ、35℃ に設定します(私が使用しているディハイドレーターの最低温度ですが、他に選択肢もないわけでして...)。しばらくすると魚の表面が乾いて膜のようなものができてきます。好みの乾き具合になったら停止しますが、この加減が一番のポイントで、乾きすぎるとパサパサになって美味しくありません。バターフィッシュのような小さい魚の場合は 2 時間ぐらいでできます。こちらでよく見かける小ぶりのイカはせいぜい 1 時間というところでしょうか。乾燥させすぎると、ぺらぺらになってしまいます。すぐに焼いて食べることもできますが、さらに一晩以上冷蔵庫で熟成・発酵させた方が断然美味しいです。

干物は冷蔵庫で数日間保存できますが、このまま冷凍することもできます。生の魚を冷凍して、解凍してから焼いたら、水分がたくさん出てきて美味しくなかったという経験はありませんか?そういう場合は、「干物」とまでいかなくても、魚の表面を乾燥させてから冷凍すると、調理時の水分の流出を防ぐこともできるんですよ。私は生の鮭を買ってくると、だいたい塩漬けにして冷凍します。このときにディハイドレーターで短時間表面を乾燥させてから冷凍すると、焼いたときに水がほとんど出ず、ふっくらと焼き上がります。海外在住で、塩鮭を自分で作られる方は是非試してみてくださいね。また、夏場に青魚の干物があると、冷汁を作るのに使えるので便利ですよ。焼くときは凍ったまま、できれば直火ではなく、余熱したオーブンやフライパンなどで焼きます。

また、塩水の代わりに塩麹をまぶして一晩おいてから乾燥させるのもオススメです。上の写真はサンマのみりん干しです。醤油とみりんの漬け汁に漬けた後でゴマを振ってから乾燥させます。実はみりん干しって自分で買ったことがなかったんですけど、甘さを好きなように調整できるのがいいですね。

時間をかけてよーく乾燥させれば、比較的長く保存することもできます。キュウリウオ (smelt) のような小さい魚であれば、まる一日もあればカラカラになります。丸干しは時間がかかるので、開きにして乾燥させ、さっとあぶっておつまみに。骨も食べられます。また、鮭の場合ば鮭トバやサーモンジャーキー、鱈の場合は棒鱈や欧米でよく見かけるバカラオ (Bacalao) と呼ばれる塩漬けの干鱈 (salted cod) のようなものもできるかも。私は乾燥時間を短くするため、できるだけ小さく切って乾燥させます。

乾燥中はかなり匂いがしますので要注意です。間違ってもリビングルームなどではやらない方がいいと思いますよ。

また、調理済みの魚を乾燥させて保存することもできます。魚を調味液に漬けて焼き、ほぐしてからディハイドレーターで乾燥させます。鮭や鯛などをこの方法で乾燥させると、鮭フレークや鯛茶漬けの素ができますが、乾燥させすぎるとパサパサになって美味しくないのでタイミングが大切です。また、完全に乾燥させてお茶漬けやふりかけ用に保存するという手もあります。これは冷蔵庫で比較的長く保存できますし、結構重宝するんですよ。ポイントは脂の少ない種類を使うことと、カチカチになるので乾燥させる前にかなり細かくほぐすことです。

日本に住んでいたときは何も意識せずに日常的に食べていた魚の干物ですが、今では帰国したときぐらいしか食べなくなりました。そういうわけで、最初にバターフィッシュの干物を作って食べたときのカンゲキは今でも忘れられません!ただの塩焼きと干物って同じ魚でも味がこんなに違うのねー、なんて言ったら、「おまえいったい何年日本人やってんだ」と言われちゃいそうですが、魚の干物が発酵食品であることさえすっかり忘れてました。まあ、とにかく海外在住のお魚好きの方は是非一度お試しください。

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