ディハイドレーターで干し野菜

2012年09月28日 10:56

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今日は干し物シリーズの野菜編です。「干し野菜」というとどんな野菜でも美味しくなるような気がしますけど、必ずしもそうとは限らないし、市販の乾燥食品とまったく同じものができるわけでもありません。そういうわけで、野菜の種類、乾燥の方法、乾燥させるときの温度や時間などにちょっとした工夫が必要です。ここでは主にディハイドレーター(食物乾燥機)を使って干し野菜を作る方法を紹介します。ディハイドレーターっていったい何?という人は、こちらの記事を見てくださいね。

一般に、野菜を干すと味や香りが凝縮されて旨みが増します。甘みのある野菜はより甘く、香りのある野菜はより香りが強くなります。ただし、香りを残すためには加熱調理をせず、低温で乾燥させる必要があります。にんじん、ピーマン、セロリ、ウリ系の香りがもともと苦手な人は、これらの野菜を生のまま低温で干すとますます食べられなくなっちゃいます(笑)。また、野菜を干すと食感が変化するので、いつもと違った感じが楽しめます。水分を多く含む野菜はコリコリ、パリパリとした歯ごたえが出てきますし、べちゃっとした水っぽい野菜もしっかりした感じになります。ただし、繊維の多い野菜を干すと、ますます筋っぽくなるのでかえって食べにくくなることもあります。

干し野菜の便利な点は、生の食材を切らしているときや、忙しいときに材料の下準備をしなくても、思いついたときにささっと利用できること。

最近のマイブームはインスタント風味噌汁・スープです。味噌汁の場合は、数種類の干し野菜、干しきのこ(これがポイント)、海藻類、水を鍋に入れて火にかけ、野菜が柔らかくなったらお味噌を入れるだけ。スープの場合、味付けはオリーブオイル数滴と塩コショウのみですが、干したタマネギを入れるのがミソ。包丁いらず、ダシいらずのカンタン料理ですが、フリーズドライの野菜とはやはり違うので、細かくして乾燥させることと、そして水から入れて火にかけること。そうでないと、食べたときに繊維が気になったり、固かったりします。また、一度加熱してから干した野菜と生のまま干した野菜では後で調理するときの時間が違ってきます。たとえば、みじん切りの乾燥にんじんを水から茹でた場合、柔らかくなるまでに加熱済みの方は 2 分でしたが、生で干した方は 5 分かかりました。スープの具には、ネギ、たまねぎ、大根、セロリ、にんじん、青菜、キャベツ、きのこ類などを常備しておくと、忙しいときに便利ですよ。

ディハイドレーターを使う場合、基本的にそのまま食べる場合は低温(35℃~46℃)に設定し、後で加熱調理するものやすでに加熱調理したものを乾燥させるときは 52℃以上に設定しています。乾燥時間は、野菜の大きさ、水分量、設定温度、好みの干し具合などによってかなり異なります。なお、細かく切った野菜は網の間からぽろぽろ落ちてしまうので、付属のトレイ (fruit roll sheet) を使います。

次に、野菜別のヒントをどうぞ。一応オススメの野菜順になってます。

●きのこ類
マッシュルーム、しめじ、えのき、エリンギなどのきのこ類は冷凍したり、干したりすることによって旨み成分(グアニル酸やグルタミン酸)が増して美味しくなります。味噌汁、スープ、パスタ、雑炊、炒め物などに少量だけ使うことも多いので、小さめに切って乾燥したものを小分けにしてパックしておくと、すぐにとり出せるので便利です。干したマッシュルームを調理すると歯ごたえが出てきますし、エリンギの場合はあの食感がしっかり残ります。きのこは出汁の代わりにもなるので、スープや味噌汁などに使うときは水から入れるのがポイントです。おもしろいのは、干しきのこの天ぷらです。水で戻さずにそのまま衣を付けて揚げるのですが、スナック菓子とかスルメみたいな味になりますよ。

●ネギ
ネギ類の緑の部分は痛みやすいので、これまではみじん切りにして冷凍してましたが、あまり風味はよくありません。干した方が美味しいし、使い勝手もよいです。35℃の低温で乾燥させれば、風味と辛みもちゃんと残ります。

●きゅうり
ほんのちょっと干しただけで食感と味がずいぶん変わります。アメリカのきゅうりの中でも長くて太い European cucumber はみずみずしくて皮も食べられるきゅうりですが、漬物にすると水っぽくて大味なんです。これをディハイドレーターで数時間干して半干しぐらいにすると、コリコリとしてとても美味しくなります。しかも甘い!今まできゅうりが甘いなんて思ったことがなかったのでちょっとびっくり。それからお勧めなのが、ポテトサラダに入れるきゅうりです。普通は塩を振るだけですが、ディハイドレーターで 1 時間ほど干してから入れると、歯ごたえもしっかりして美味しいです。でも、きゅうりを干すとウリ系の匂いが強調されるので、それが気になる人もいるかもしれません。そういうときは乾燥温度を高めに設定するか、漬物の場合はしょうが、にんにく、芥子などを加えてみましょう。キューちゃん漬けもどき (醤油、酢、しょうが、はちみつ少々です) もちょっと干してから漬けるとあのこりこり感が再現できるのですが、数ヶ月間置くことでウリ臭さがすっかり消えます。

●大葉、ミツバ、バジル、ミント、香菜(パクチー、cilantro、coriander)などのハーブ類
ハーブ類は香りや風味が飛びやすいので、低温で、しかもできれば短時間で乾燥させる必要があります。そういうわけで、ディハイドレーターを最低温度(35 ℃)に設定して乾燥させるのが一番のオススメです(乾燥大葉についての実験は、こちらの過去記事を見てくださいね)。この方法だと、ミツバのように繊細な香りを持つハーブの香りもしっかり残ります。

●タマネギ
タマネギを干すと、びっくりするほど甘くなり、さらに旨みも増すので出汁やスープストックの代わりに使えます。野菜スープに入れると、なんとコンソメスープのあの香りがするんです。コンソメといえば化学調味料のことと思っていた私は愕然!ぜひお試しください。

●セロリ
セロリを干すと、ますますセロリ臭くなります(笑)。セロリを一株買うと大きいのでなかなか使い切れないことが多いんですが、細かく切って干しておくと、炒め物やチャーハン、スープなどに重宝しますよ。アメリカのセロリってなぜか塩分が含まれているので、干すとしょっぱくなります。

●大根、かぶ、ラディッシュ
ちょっとだけ干した大根、ラディッシュ、かぶはぽりぽりと歯ごたえのよい美味しい漬物になります。また、市販の切干大根よりも太めまたは細めのものを作っておくと、炒め物、漬物などのいろいろな用途に使えて便利です。先日とっても美味しい手作りの漬物をいただいたのですが、最初それが大根だとはわかりませんでした。作り方を伺うと、かつら剥き(ここがポイント)した大根を繊維に沿って糸のように細く切って干し、醤油ベースの調味料で漬けたものだそうなんですが、同じ切干大根でも切り方をちょっと変えるだけでここまで違うものになるとは!と目からウロコの発見でした。

●ズッキーニ
ちょっと干してから調理すると歯ごたえが出てくるので、ズッキーニのぐちゃっとした食感が苦手な人にオススメです。

●トマト
私はドライトマトが大好きなので、乾燥ドライトマトとオイル漬けトマトの両方を常備しています。トマトはどの種類を使っても美味しいですが、ミニトマトはフルーティな感じに、普通サイズのトマトはグルタミン酸の旨みたっぷりに仕上がります。干すときに一番扱いやすいのは Roma tomato とか Plum tomato と呼ばれる細長いタイプのトマトですね。トマトは水分を多く含んでいるので、ある程度乾燥させるのにかなり時間がかかりますし、市販のドライトマトが簡単に手に入る場合は、手間を考えるとわざわざ作るかな?という気もします。種の部分を取り除くという方法もありますけど、それももったいないですし... セミドライぐらいにして楽しむのがいいかもしれません。オリーブオイルやハーブを加えてオイル漬けにするのもグッド!

●キャベツ、ケールなど
キャベツを干すと、インスタント焼きそばに入っているあのキャベツを再現できます!小さめに切って干したものを常備しておくと、味噌汁、スープ、焼きそば、焼きうどん、パスタなどにいろいろ使えてなかなか便利ですし、生のキャベツよりも甘くなるので美味しいんです。茹でるか蒸してから乾燥させると、後で調理するときに早く柔らかくなり、色も鮮やかな状態が保たれます。ケール、カラードグリーンなども同様ですが、葉の部分は細かく切らずにそのまま乾燥させ、使うときにぐしゃっとつぶしてスープなどに使います。茎は硬いので細かく切った方がいいです。美味しいケールチップスの作り方はこちらを見てくださいね。

●ごぼう
乾燥ごぼうは市販されていますが、これできんぴらを作ると歯ごたえ抜群でおいしいです。ただし、古いごぼうや繊維質のごぼうだと筋っぽくなって美味しくありません。香りも一段と強くなるので、みじん切りの乾燥ごぼうを作っておくと味噌汁にほんのちょっと入れるだけでごぼうの香りが楽しめます。乾燥したゴボウを炒ったゴボウ茶の作り方は、こちらをご覧ください。

●青菜類
ほうれん草など青菜類は生のまま乾燥させることができます。手早く味噌汁の具などに使えるので便利です。青菜類の茎をそのまま乾燥させると筋っぽくて食べにくいので、細かく切った方がいいようです。

●にんじん
生のにんじんを干すと、にんじん臭さが一層強くなるのでにんじん嫌いな人には向きません。でもいったん加熱してから干すと匂いがなくなります。

●ナス
アメリカで売っている巨大ナスは皮が固く、煮ても焼いても揚げても日本のナスのような繊細な味にはならない厄介な代物です。油を使った料理だと油を吸いすぎてベタベタになりますし。このナスを適当な大きさに切って水にさらし、半干しにしてから調理すると、油をそれほど吸わないのでいいみたいです。衣を付けてフライにしてみたら、味が凝縮されて肉っぽい感じになりました。

●カボチャ、バターナッツスクワッシュなど
アメリカのカボチャは種類が豊富ですが (アメリカのかぼちゃの種類についてはこちらの記事をどうぞ)、水っぽかったり、味が薄かったりといろいろです。こんなかぼちゃも半干しにしてから調理すると、甘みが増し、味が濃厚になります。また、銀杏切りや千切りにしたものをカラカラに干して常備しておくと、味噌汁やうどんの具などにささっと使えて便利。でも、瓜臭いのがちょっと気になるかもしれません。さらにこれをフードプロセッサーなどで粉末状にしたものは、カレー、シチュー、スープ、パスタソースなどのとろみ付けに。コクや自然な甘みが加わって美味しいです。

●ピーマン、パプリカ
赤や黄色のパプリカを干すとフルーツのように甘くなるものがあります。こんなパプリカは半干しにしてそのままスナック代わりにもなります。

●さつまいも
昔懐かしい干し芋が作れます。アメリカにお住まいの方は白いサツマイモ (white sweet potato) か Japanese yam を使います(アメリカのさつまいもについては、こちらの記事をどうぞ)。まず、さつまいもを皮付きのまま柔らかめに蒸します。熱いうちに皮をむき(黒くなっている部分は取り除きます)、縦にスライスし、ディハイドレーターのトレイに並べてできれば低温で一晩ほど乾燥させます。でも、アクの多いサツマイモや繊維質のものはあまり美味しくないし、干し過ぎると硬くなるので加減がなかなか難しいです。それに、市販品のような甘さにはなかなかなりませんね。本来は、時間をかけて蒸し、寒い季節に何日もかけてゆっくりと天日で乾燥させるととても甘くて美味しくなるんだそうです。

●にんにく、しょうが
乾燥にんにくの粉末やスライスは市販されていますが、袋にたくさん入っているにんにくを買っていつも芽が出てしまうという人は、スライスして乾燥させておきましょう。さらにブレンダーなどで粉末にすれば、さまざまな用途に使えます。しょうがの保存法や利用法については、こちらの記事に書いてありますのでご参考にしてください。

●もやし
もやしは干し野菜に向かないとされていますが、私は結構使えると思います。ちなみに乾燥もやしの味噌汁は我が家の定番味噌汁なんです。もやしは痛みやすいので、いっぺんに使い切れないときなどにそのまま乾燥させておき、ポキポキ折って味噌汁やスープの具に。もやしの香りが一層強くなります。

●アボカド
半干しにするとなかなか面白い味のスナックになります。ただし、色は黒くなりますし、長期保存はできませんけどね。

●いんげん、さやえんどう
筋っぽくなるので、細かくみじん切りにして乾燥させます。スープや味噌汁の具に。

●ブロッコリ、カリフラワー
スープや味噌汁の具にします。ブロッコリの茎を繊維に沿って千切りにして干したものを戻して調理すると、おもしろい食感になります。

私は干し野菜をジップロックに入れて常温または冷蔵庫で保存しています。でも作りすぎにはご注意!干した後の野菜は見た目が変わってしまうので、しばらくして何だったか思い出せなくなることもあります(笑)。ラベル付けをオススメします。

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